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ちゃらーす☆

さて、トップ画像のこのレフェリーを皆さんはご存知でしょうか。

プレミアリーグの若きレフェリー。

マイケル・オリバーさんです。



先日、アーセナルとチェルシーの大一番の笛を任された人。

凄いっすね。

まだ20代。

前から気になってる主審だったんですが、先日の試合の進行が素晴らしかったから記事にしよーと思いまして。

て事で、以下アーセナルVSチェルシーより抜粋。
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▼ゲーム進行にあたって、しっかりと基準を持ったジャッジング...
首位と2位の直接対決だから、当然激しい試合になる。

特にゲーム序盤っていうのは、主導権争いになるわけだから、両チーム共に厳しくプレッシングをかけるのが通例。

そんな中、マイケル・オリバーさんは、明確にジャッジのラインを引いていました。


▼手を使ったら厳しく。ボディコンタクトについては寛容なジャッジ...
これを徹底していた印象でした。

元々プレミアリーグはコンタクトの激しいリーグとして有名で、ジャッジもある程度は寛容。

でもこの日は特にそうで、さすがに足を掛けたり蹴ったりしたらファールなんですが、体のぶつけ合いで倒されても全て流すスタンス。

でも悪質なファールは取る。

だから、見てる観客としても凄くスリリングなゲームになったんじゃないかなーと思います。


そして、手を使って引っ張ったり、相手を倒した時は厳しく取っていました。

これは前に日本の西村主審も言ってた話。


「ボディコンタクトによる激しい当たりは、フットボールがコンタクトスポーツである以上、仕方の無い部分がある。本人にファールの意図が無くても、勢いあまってとか、たまたまぶつかったって事もある。
ただし、手を使って空いてを倒す行為に偶然は無い。必ず意図的にファールを犯しているから厳しく取らなくてはならない。」

だから、ジャッジングにおいて、手を使ったファールってのは厳しく取るようにしていると。

勉強になります!



▼序盤からカードを乱発して選手の混乱を招くような事はしない...
序盤はどうしても激しく行ってしまうのは上で書いた通り。

それに、序盤というのは、そのゲームで主審がどのようにジャッジのラインを引いていくのかが、選手から見てもわからない時間帯。

なので、序盤のジャッジを経て、選手達がその試合のプレー強度を決めます。


要は選手達も、ゲーム序盤ってのはジャッジのラインがわからない状態でプレーしてるという事。

まあ、もちろんある程度の常識の範囲内で。


でもそんな状態の時に、最初のファールでいきなりカードを提示されると選手達も、

「え?いやいや、これからジャッジのラインを把握する所でいきなりカードまで出されても。。」

ってなる。

だからよほど悪質なファールじゃない限り序盤でカードは出さない方が良いと思います。


話を戻しますと、オリバーさんはここのコントロールが上手かった。

序盤にチェルシーのイバノビッチがサンチェスに対して厳しいチェックを2連続で行ったシーンがありました。

当然アーセナルサイドからすると、2連続だからカードを出せ!

となりますが、オリバーさんは選手とキャプテンを呼んで、状況の説明と注意喚起をしっかりと目を見て話し、カードを提示する事なく選手の興奮を収めていました。


まあ、「次いったら流石に出さざるを得ないよ」とでも説明したんじゃないですかね。


▼選手とのコミュニケーションで選手の信頼を得る...
これが最も大事かもしれない。

審判も、選手との信頼関係があっての存在ですね。


選手が熱くなった時にいさめられるように。

笛を吹いた時に、選手が自分に対して懐疑的にならないように。

自分の話に、選手が耳を傾けてくれるように。


この日のオリバーさんはこれが抜群に上手かった。

まずは序盤でイバノビッチが2連続でファールを犯したシーン。
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ここで上手いのは、当事者であるイバノビッチはもちろん、キャプテンであるテリーの事も呼んだ点。

選手22人全員を自分一人でコントロールするのは難しいから、上手くキャプテンを使って、チームの管理を徹底させる事で、後々の自分の負荷を減らしています。

結局このシーンでも、しっかりと説明して、カードを提示させる事無くいさめた事で、

「この主審は話が出来る奴だな」

と思わせる事が出来ています。


次に、前半でオスカルが相手GKと接触して、ゲームが中断しているシーンから。
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流石に会話の内容まではわかりませんが、近くに寄ってきたアザールと笑顔で談笑した後、タッチまで交わしてます。
アザールのプレーに対して何かコメントしたんですかね。

「あれは上手かったな」

とか(笑)

選手と心を通わせる事が出来ているから、今後のジャッジも受け入れてもらいやすくなっていきます。



最後に、試合中、プレーが切れた一瞬でのシーン。
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このシーン。
ファールがあったとかではなく、ゴールキックでプレーが切れた時に、オリバーさんがキャプテンのテリーに耳打ちしています。

これも何を話しているのかはわかりませんが、ファールや問題が起こる前に、それを未然に防ぐ事が出来たら、これほど素晴らしい事は無いですね。


審判がゲームをコントロールするのは、何も笛やカードだけではないとわからせてくれるシーン。

まあ、特に自分よりも年上の選手がたくさんいる中で、信頼を勝ち得るのは大変。。
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このように、コミュニケーションで解決するシーン、笛で解決するシーン、カードで解決するシーン。

それぞれを適切に使い分ける事で、この大一番は非常にスリリングで、快適なゲームになったと思います。


特に最後の、未然に問題を防ぐ事に関しては、ケガとか、カードトラブルによる出場停止とかも減らせるから、リーグ全体を面白くしつつ、選手の為にもなるから、素晴らしい事ですね。


しかもこれが20代のレフェリー。。


日本のレフェリーにも、こんな方が出てきたらいーなー。



メモメモ♫