▼この記事を読むのにかかる時間/約5分
image 13
ちゃらーす☆

いやはや、途中で目を覆いたくなるような試合でしたね。。
でもまあ、ポジティブに捉えましょう。

ボクとしては、0-1とかで負けるくらいなら、こんくらい大敗した方が良かったと思っています。
(2点差で終えれたのは、今後の得失点差に関わるしせめてもの救いと思おう)

上手くいきそうで上手くいかない。
それが続くのは良くない。

「今回は負けたけれど、次は勝てる」

そんな保証はどこにもないわけで、それでいつまでもごまかすわけにはいかないですからね。
ここで一旦深く見直してもらって、今後の立て直しに向かって欲しい所です。

とにかく山口は良かった。

町田もそうだけれど、現代のフットボールをしっかりと取り入れて、具現化している。
実際に指導を受けているわけではないので、一概に批判するつもりもないけれど、関塚さんにもその辺は取り入れて欲しい。

正直、個々の能力は高いわけだから、ジェフが町田や山口のコンパクトなフットボールを身につけたら、結構強いと思う。
⑧井出や⑩長澤といった、狭い局面でも技術を発揮出来る選手もいるし。

まあ、愚痴より分析しましょ。
------------------------------------------------------------------------------------------------
【システムのマッチアップ】
【J2】VS山口 分析①
黄:ジェフ/オレンジ:山口

▼ジェフ千葉
4-4-2

やはり前節と同様の布陣できましたね。
これが現状だとベストなメンバーかな。

並びは、前半5分くらいが過ぎてからの布陣になります。

スタートは⑱吉田をトップに置くいつもの形でしたが、途中から並びを変えました。

ボールの取りどころや、プレスのスタート位置については注目すべきポイントでもありましたが、最近はハイプレスが多いですね。

ただし、それが後方とのバランスを崩しているシーンも多く見受けられます。


▼レノファ山口
4-2-3-1

守備の時には形がありますが、攻撃に関してはもはやシステムなんて関係ないくらいに流動的にポジションを取ってきます。
------------------------------------------------------------------------------------------------

▼立ち上がりのジェフは縦パスによるスイッチ...
試合の立ち上がり、ジェフの攻撃の基本形は縦パスに置いているようでした。

プレシーズンの試合を思い起こさせるような形で、積極的に中央の縦パスにチャレンジしていきます。
image
右から左に攻めるジェフ(黄)
③近藤からの縦パス。
③近藤は戦術理解の深い選手なだけに、一つ一つのプレーに意図を感じられます。
その③近藤が、試合開始早々のシーンで、ボールを保持するよりもすぐに縦パスをつけるあたり、これは狙っているチーム戦術かと思います。
image 1
㉔イジュヨンも狭くても縦パスを通してきます。

これは実際に効果的で、上手く攻撃のリズムを組み立てていました。


▼山口は長いボールも組み合わせる...
山口の攻撃といえば、とにかくパスを繋ぐスタイル。
各選手の距離間を狭くして、局面局面で数的優位を作ってくるスタイルです。

そのほとんどがショートパスですが、この日は長めのボールも組み合わせてきます。
image 2
左から右に攻める山口(オレンジ)
ジェフは山口のパスワーク、縦パスに対して強くインターセプトを狙っている事もあって、最終ラインの重心は前掛かり。
そこへ裏への抜け出しを狙ってきたので、ここで上手く抜け出され、裏を取られるシーンが目立ちます。


▼とにかくコンパクトを保つ山口...
山口は攻守に渡りとにかくコンパクト。
ジェフのボールホルダーに対して複数人数で囲みに来ます。
image 3
右から左に攻めるジェフ。
赤枠のボールホルダーに対して山口の3人が反応。
中盤のコンパクトさをキープして、網を張ります。

攻撃においても、ゴールに一番近い道筋に対して効率的にポジションをとります。
image 5
左から右に攻める山口。
選手の配置に、必要以上に幅が無いのが特徴。
ゴールへの一番の近道に縦に選手が並びます。

前につけたら後方の選手が次々に出ていく。
これをされるとなかなかマークが捕まえづらい。

さらに。
image 10
右から左に攻める山口。
これは後半のシーンですが、縦パスに対して各選手の距離が近いのでセカンドボールを拾い易い。
このシーンでも、この縦パスはジェフが止めるも、こぼれたボールを山口が拾い、空いた中央のスペースを使われてしまいます。


▼早々の交代で、㉒アランダを失う...
ついにチームの絶対的存在を欠く日がやってきました。

21分 ㉒アランダ⇒⑦勇人

足を痛めて㉒アランダが下がります。
チームの核にもなっていた選手。
サポーターの間でも不安が募ります。


▼歯車が狂い始めたロングボールによる間延び...
㉒アランダが抜けたからなのか、山口の守備を受けてなのか、最初からの狙いだったのかは定かでありませんが、次第に縦パスをつける姿勢は薄れ、ジェフはロングボールによる裏の狙いに切り替わります。

ここで問題視したいのは、ロングボールの戦術そのものではなく、それによって引き起こされた"間延び"です。
これが最大の敗因かなと。

ロングボールは良いんですが、当然2トップが前線に向かって走り出す形になる為、全体が間延びします。
それを防ぐために、後方からの押し上げも必要なのですが、その押し上げがない。

2トップだけが走り、特に最終ラインとボランチの押し上げがないので、中盤はスカスカに。。
image 8
右から左に攻めるジェフ。
画像は前半終了間際ですが、後方から跳ね返したボールは中盤で山口に拾われる。
山口はこれだけ中盤がコンパクトに人数がまとまっているのに、ジェフはスカスカ。

これによって、ロングボールを蹴ってもセカンドボールを拾えなくなり、間延びしたジェフのシステムを引き裂かれ始めます。


☆26分 山口得点:1-0
やられたのはクロスから。
高さはないものの、ジェフの苦手なファーサイドで崩された形。
右の浅い位置からクロスを送られると、ファーサイドで⑧島屋。


しかし、ここはすぐに取り返す。


☆29分 ジェフ得点:1-1
右サイドから逆サイドへのロングフィードから。
⑧井出が抜け出て、ボックスの角で仕掛けると、溜めて時間を作り、後方から攻めあがってきた⑮冨澤へスイッチ。ダイレクトミドルが突き刺さって同点。

このシーンが上手くいったのは、ボランチが押し上げて攻撃参加したからです。
点が欲しければリスクを負うべきですね。

しかし。


☆33分 山口得点:2-1
なんとジェフの右コーナーキックから。
跳ね返されたボールを最終ラインに残る㉗阿部と⑦勇人が処理しますが、まさかの⑦勇人のスリップ。
⑧島屋の独走を許し、勝ち越し。

このシーンは、最初に⑦勇人が㉗阿部に出したパスが悪かった。。
image 7
右から左に攻めるジェフ。
これが⑦勇人が㉗阿部に出したシーン。
㉗阿部が左足で蹴れない所にパスを出してしまったんですね。。

これで窮屈になった㉗阿部が⑦勇人に戻した所で掻っ攫われたと。。


さらに。


☆34分 山口得点:3-1
ジェフのキックオフを早々に山口が奪うと、そのまま左サイドを崩す。
グラウンダーのクロスに、中央の㉜中山が③近藤から㉗阿部の前に逃げるようにファーサイドへ動き、点で合わせて追加点。


またもファーサイドでの失点。
ファーサイドの対応の悪さは岡山戦の時と同じ。

しかも、キックオフを失ってって。。
キックオフのやり方も徹底しているチームもあるし、そこから得点してしまうチームだってある。
それがキックオフ。
あまりにも軽率...


☆48分 山口得点:4-1
右サイドからのクロス。㉔イジュヨンのクリアが短くなると混戦に。こぼれ球に右足を振り抜いた⑦福満がゴール。

ここでダメ押し。


51分 ⑤多々良⇒⑭町田

システムも変更です。
【J2】VS山口 分析②


65分 ⑦勇人⇒⑨エウトン


▼最後にジェフが良くなったのは、コンパクトさを取り戻したから...
⑨エウトンが入ったあたりから、監督の指示なのか、選手の判断なのか、意図せずそうなったのか、ジェフがコンパクトになり始めます。
image 11
左から右に攻めるジェフ。
この局面で、多くの選手が顔を出しています。
細かいパスワークを取り戻したジェフが、人数をかけて取りに来る山口のプレスをいなし始め、リズムを取り戻します。

終盤は押せ押せになったから攻勢になったように見えますが、一番の原因はこのコンパクトな陣形かと思っています。
山口は人数をかけている分、かわせばその先にはスペースが比較的にある。
image 12
ここで序盤に見せていた縦パスが光り始めます。
これで一気に山口の5人を置き去りです。

これを1試合を通して実行出来ていれば良かったのですが。。

結局最後に意地で1点を返しますがそこまで。

2点差でも内容的には大きな差をつけられての敗戦です。


【まとめ】
序盤、縦パスを効率的に使えていた頃は良かった。
そこから長いボールが増え始めると次第に全体が間延び。コンパクトに攻守を展開してくる山口にセカンドボールを譲り続けて劣勢に。
いまいち集中を欠いたようなプレーで立て続けに失点。
後半に入って、システム変更自体はそこまで効果を見せないものの、全体がコンパクトになってからはリズムを取り戻すも3点差はあまりに遠く。。
------------------------------------------------------------------------------------------------

ロングボールをやるなら全体を押し上げないとこういう結果になる。
これは良い教訓です。

2トップの走力に頼ったロングボール戦術になってしまっていますね。
攻撃に厚みが無い。

J2で町田と山口が結果を出している事から学ぶべきです。
なぜ彼らが勝てるのか。


「意地を見せろ。
セカンドボールを拾って一つ一つやれ。
相手よりも走っているか。
自分たちを過信してはいないか。
隙があるからこうなるんだ!」


これは関塚監督のハーフタイムコメントです。
珍しく叱責です。

この"大敗"を、浮上のきっかけにして欲しいものです。


WIN BY ALL!!