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ロッカールーム。
「この試合の重要性は全員わかっているな?」
長谷部監督はそう切り出した。
いつも以上にピリピリと張り詰めたロッカールーム。
ほとんど笑顔もない。
長谷部「負けたら後はない。最初から行くぞ!」
全員「オゥ!!!!」
プレーオフ圏内ギリギリ、6位に位置する京都との勝ち点差は8。
この試合に勝てば差は5に。
負ければ11に。
今シーズンの結果を左右するような重要な一戦を前に、全員が戦う気持ちを持ってピッチに足を運ぶ。
さあ、運命の時だ。
▼kick off
ジェフとしては前半から前に出て、早々に流れを掴みたい所。
⑭町田に代わって左に入ったのは⑩長澤。
ボランチは㉒アランダと⑮冨澤のセットを選んだ。
いざ前に出ようかという所。
狙いは京都も同じだった。
積極的にジェフの陣地までプレスに出てくる。
コンパクトに、且つ連動した守備。
ジェフに苦し紛れのクリアが目立つ。
そして、自陣スローインを奪われた所からだった。
⑨エウトンが競り負けると中盤で拾われ、㉒アランダをあざ笑うかのように左サイドからバイタルエリアへ横パスを通される。
ここに⑪堀米。
対応は㉝丹羽。
丹羽「大丈夫だ。足りてる!」
⑪堀米は対面する㉝丹羽に構わず左足を振り抜く。
㉝丹羽がシュートブロックに足を出す。
しかし、⑪堀米のシュートが㉝丹羽の股を抜けてゴールへ。
丹羽「...く!しまった!!」
足をかすめてコースの変わったボールがゴールへ向かう。
優也「....っ!これは...!!」
ふぁさっ。
無情にもボールはゴールへ吸い込まれる。
実況「ゴーーーーーール!先制は京都!!試合開始まだ2分ー!!」
丹羽「...................なんでだ。なんでこうなる.....」
試合序盤から前に出て試合の流れを一気に掴みたかったジェフ。
しかし、それをやってのけたのは京都の方だった。
なんとか反撃に出たいジェフ。
しかし、京都の組織的な守備がそれを許さない。
左から右に攻めるジェフ。
注目は京都の中盤の守備。
かなり中央に絞っており、楔の縦パスを許さない。
サイドを空け、そこにボールが出たらスライド。
徹底されている。
無理矢理中央を通そうものなら...
冨澤「くっ......ここでボールは持たせないと.....!」
右サイドの⑨ロビーニョがこの位置でプレス。
全体をボールサイドにスライドし、コンパクトに守る。
ボールを持つが、前線への活路が見出せないジェフ。
次第に後方に追い込まれると...
中央から最終ラインに下げるその前には、既に最終ラインへのプレスのスタートが始まっている(赤枠)。
ジュヨン「.....だめダ。全然ボールが前に運べナイ。」
前に運ぼうとすれば中盤の網に引っ掛かり。
後方でボールを回し始めると徐々にはめられる。
アランダ「(ドウスル...?ウチノタレントハ中央ニ強サヲ持ッテイルノニ...)」
それでも何とか攻撃に転じるジェフは、次第にコーナーキックが増えていく。
船山「...全然攻撃が形にならねぇ。取りあえずセットプレーでもなんでも、1点返せれば...」
船山が放ったボールは跳ね返って再び自身の足元へ。
船山「!!!?...良い角度だ!ここしかねぇだろ!!」
ゴールに向かうクロスを⑪船山が放つ。
ボールは真っすぐ⑨エウトンへ。
エウトン「ナイスボールダ!タカユキ!!」
長澤「ヨシ!行った!!」
⑨エウトンのヘディングシュートがネットに突き刺さる。
しかし。
菅野「!!?副審!!」
副審がフラッグを上げている。
船山「.......ちっ。」
実況「いやー!オフサイドです、オフサイド!!ジェフ千葉同点ならずー!!」
このビッグチャンスもオフサイドの判定。
会場からため息が漏れる。
この攻撃も結局は単発。
セットプレーから。
流れの中で活路は見出せないジェフ。
セカンドボールもことごとく京都が拾う。
とにかく中盤の準備、そしてプレスバックが早い。
そして、前線、⑨エウトンにボールが収まらない。
優也「...全然前でボールが持てねぇじゃねえか...エウトンの所で跳ね返されるようだとしんどいぞ...」
京都の後方から長いボールが放たれた所。
セカンドボールに㉒アランダ。
イーブンなボールを頭で後方に戻す。
しかし。
アランダ「...シマッタ!!短イ!」
③近藤がクリアの態勢。
アランダ「ダメダ、コンドー!前ニ出テ処理シナイトソレハ....!」
③近藤が足でクリアしようとボールをバウンドさせた所。
近藤「!!!?」
京都の⑯イヨンジェがかっさらった。
優也「ここをやらせるわけには...!!」
慌てて前に出るGK佐藤。
しかし、半瞬先に⑯イヨンジェがボールをつつく。
佐藤を抜き去る。
そして、ボールは無人のゴールへ。
実況「ゴオオォォォォル!!京都追加点!!一瞬の隙を見逃さないーーー!!」
24分。
痛恨の追加点。
ジェフがこの試合で勝つには3得点が必要になった。
いよいよ追い込まれる。
優也「.....こいつはさすがにしんどいぞ...何が上手くいかない...?」
戦術なのか。
個人能力なのか。
組織力なのか。
もはや自分たちを見失いかけるイレブン。
長谷部「...自分たちが劣っているとは思わない。戦術的なアプローチ。組み合わせ。相性。要素は色々あるかもしれないが、それだけでここまで差が出るとも思えない...」
長谷部監督も頭を抱える。
必死にこの状況をひっくり返すプランを考える。
長谷部「選手は相当追い込まれている。......それは精神的にだ。だが、戦術面での改善点もある。今はやれることをやるしかない。」
しかし、尚も京都の攻撃は続く。
4-4-2の穴を熟知した攻めを見せる。
ジェフの2トップのプレスを難なくかわし、サイドに開いた②菅沼へ。
そしてそのボールを素早く大外につける。
ここで早く、良いボールが出た事でジェフの守備は後手に回る。
そしてここから、空いたスペースを生かしてアーリークロスを放る。
これは繋がらなかったが、京都は戦い方が一貫されており、連動している。
チームに明確な意図が見える。
この京都をどう攻略するのか。
京都は中盤を中央に絞っている。
つまりは外は空いている。
菅嶋「サイドのスペースをなんとか効果的に使う事が出来れば...まだ挽回の可能性はある!」
後方から縦パスを引き出す㉜菅嶋。
当然ここで京都の中盤がプレスバックに密集する。
菅嶋「っし!これでサイドが空く!!リューヘイさん!」
空いたサイドへ㉝丹羽が上がってくる。
そして、㉝丹羽に預けると㉜菅嶋は更に前方のサイドを取りに行く。
㉝丹羽のパスを引き出す。
このスペースの取り方は良かった。
しかし問題がある。
石丸「...FWだ。この攻撃にFWが絡んでいない。この2人は個人能力でサイドをぶち抜くタイプじゃあない。この攻撃で我々に脅威を与える事は出来ない。」
京都の石丸監督が冷静に見つめる。
結局は京都の強固な守備網を突破する活路は見出せない。
虚しくも前半終了のホイッスルが鳴り響く。
「Booooooooooooooooo!!」
そして、スタンドからはブーイング。
イレブン「.................................」
長谷部「......良くないな。選手のメンタリティが....なんとかしないと。」
徐々に追い込まれるジェフの選手たち。
「ようはサイドに起点が必要って事だ。サイドを空ける事が脅威だと相手にわからせれば良い。」
ジェフの切り込み隊長。
黄色の背番号⑧。
井出「..................オレが、やらないと。」
続く。
※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。
ロッカールーム。
「この試合の重要性は全員わかっているな?」
長谷部監督はそう切り出した。
いつも以上にピリピリと張り詰めたロッカールーム。
ほとんど笑顔もない。
長谷部「負けたら後はない。最初から行くぞ!」
全員「オゥ!!!!」
プレーオフ圏内ギリギリ、6位に位置する京都との勝ち点差は8。
この試合に勝てば差は5に。
負ければ11に。
今シーズンの結果を左右するような重要な一戦を前に、全員が戦う気持ちを持ってピッチに足を運ぶ。
さあ、運命の時だ。
▼kick off
ジェフとしては前半から前に出て、早々に流れを掴みたい所。
⑭町田に代わって左に入ったのは⑩長澤。
ボランチは㉒アランダと⑮冨澤のセットを選んだ。
いざ前に出ようかという所。
狙いは京都も同じだった。
積極的にジェフの陣地までプレスに出てくる。
コンパクトに、且つ連動した守備。
ジェフに苦し紛れのクリアが目立つ。
そして、自陣スローインを奪われた所からだった。
⑨エウトンが競り負けると中盤で拾われ、㉒アランダをあざ笑うかのように左サイドからバイタルエリアへ横パスを通される。
ここに⑪堀米。
対応は㉝丹羽。
丹羽「大丈夫だ。足りてる!」
⑪堀米は対面する㉝丹羽に構わず左足を振り抜く。
㉝丹羽がシュートブロックに足を出す。
しかし、⑪堀米のシュートが㉝丹羽の股を抜けてゴールへ。
丹羽「...く!しまった!!」
足をかすめてコースの変わったボールがゴールへ向かう。
優也「....っ!これは...!!」
ふぁさっ。
無情にもボールはゴールへ吸い込まれる。
実況「ゴーーーーーール!先制は京都!!試合開始まだ2分ー!!」
丹羽「...................なんでだ。なんでこうなる.....」
試合序盤から前に出て試合の流れを一気に掴みたかったジェフ。
しかし、それをやってのけたのは京都の方だった。
なんとか反撃に出たいジェフ。
しかし、京都の組織的な守備がそれを許さない。
左から右に攻めるジェフ。
注目は京都の中盤の守備。
かなり中央に絞っており、楔の縦パスを許さない。
サイドを空け、そこにボールが出たらスライド。
徹底されている。
無理矢理中央を通そうものなら...
冨澤「くっ......ここでボールは持たせないと.....!」
右サイドの⑨ロビーニョがこの位置でプレス。
全体をボールサイドにスライドし、コンパクトに守る。
ボールを持つが、前線への活路が見出せないジェフ。
次第に後方に追い込まれると...
中央から最終ラインに下げるその前には、既に最終ラインへのプレスのスタートが始まっている(赤枠)。
ジュヨン「.....だめダ。全然ボールが前に運べナイ。」
前に運ぼうとすれば中盤の網に引っ掛かり。
後方でボールを回し始めると徐々にはめられる。
アランダ「(ドウスル...?ウチノタレントハ中央ニ強サヲ持ッテイルノニ...)」
それでも何とか攻撃に転じるジェフは、次第にコーナーキックが増えていく。
船山「...全然攻撃が形にならねぇ。取りあえずセットプレーでもなんでも、1点返せれば...」
船山が放ったボールは跳ね返って再び自身の足元へ。
船山「!!!?...良い角度だ!ここしかねぇだろ!!」
ゴールに向かうクロスを⑪船山が放つ。
ボールは真っすぐ⑨エウトンへ。
エウトン「ナイスボールダ!タカユキ!!」
長澤「ヨシ!行った!!」
⑨エウトンのヘディングシュートがネットに突き刺さる。
しかし。
菅野「!!?副審!!」
副審がフラッグを上げている。
船山「.......ちっ。」
実況「いやー!オフサイドです、オフサイド!!ジェフ千葉同点ならずー!!」
このビッグチャンスもオフサイドの判定。
会場からため息が漏れる。
この攻撃も結局は単発。
セットプレーから。
流れの中で活路は見出せないジェフ。
セカンドボールもことごとく京都が拾う。
とにかく中盤の準備、そしてプレスバックが早い。
そして、前線、⑨エウトンにボールが収まらない。
優也「...全然前でボールが持てねぇじゃねえか...エウトンの所で跳ね返されるようだとしんどいぞ...」
京都の後方から長いボールが放たれた所。
セカンドボールに㉒アランダ。
イーブンなボールを頭で後方に戻す。
しかし。
アランダ「...シマッタ!!短イ!」
③近藤がクリアの態勢。
アランダ「ダメダ、コンドー!前ニ出テ処理シナイトソレハ....!」
③近藤が足でクリアしようとボールをバウンドさせた所。
近藤「!!!?」
京都の⑯イヨンジェがかっさらった。
優也「ここをやらせるわけには...!!」
慌てて前に出るGK佐藤。
しかし、半瞬先に⑯イヨンジェがボールをつつく。
佐藤を抜き去る。
そして、ボールは無人のゴールへ。
実況「ゴオオォォォォル!!京都追加点!!一瞬の隙を見逃さないーーー!!」
24分。
痛恨の追加点。
ジェフがこの試合で勝つには3得点が必要になった。
いよいよ追い込まれる。
優也「.....こいつはさすがにしんどいぞ...何が上手くいかない...?」
戦術なのか。
個人能力なのか。
組織力なのか。
もはや自分たちを見失いかけるイレブン。
長谷部「...自分たちが劣っているとは思わない。戦術的なアプローチ。組み合わせ。相性。要素は色々あるかもしれないが、それだけでここまで差が出るとも思えない...」
長谷部監督も頭を抱える。
必死にこの状況をひっくり返すプランを考える。
長谷部「選手は相当追い込まれている。......それは精神的にだ。だが、戦術面での改善点もある。今はやれることをやるしかない。」
しかし、尚も京都の攻撃は続く。
4-4-2の穴を熟知した攻めを見せる。
ジェフの2トップのプレスを難なくかわし、サイドに開いた②菅沼へ。
そしてそのボールを素早く大外につける。
ここで早く、良いボールが出た事でジェフの守備は後手に回る。
そしてここから、空いたスペースを生かしてアーリークロスを放る。
これは繋がらなかったが、京都は戦い方が一貫されており、連動している。
チームに明確な意図が見える。
この京都をどう攻略するのか。
京都は中盤を中央に絞っている。
つまりは外は空いている。
菅嶋「サイドのスペースをなんとか効果的に使う事が出来れば...まだ挽回の可能性はある!」
後方から縦パスを引き出す㉜菅嶋。
当然ここで京都の中盤がプレスバックに密集する。
菅嶋「っし!これでサイドが空く!!リューヘイさん!」
空いたサイドへ㉝丹羽が上がってくる。
そして、㉝丹羽に預けると㉜菅嶋は更に前方のサイドを取りに行く。
㉝丹羽のパスを引き出す。
このスペースの取り方は良かった。
しかし問題がある。
石丸「...FWだ。この攻撃にFWが絡んでいない。この2人は個人能力でサイドをぶち抜くタイプじゃあない。この攻撃で我々に脅威を与える事は出来ない。」
京都の石丸監督が冷静に見つめる。
結局は京都の強固な守備網を突破する活路は見出せない。
虚しくも前半終了のホイッスルが鳴り響く。
「Booooooooooooooooo!!」
そして、スタンドからはブーイング。
イレブン「.................................」
長谷部「......良くないな。選手のメンタリティが....なんとかしないと。」
徐々に追い込まれるジェフの選手たち。
「ようはサイドに起点が必要って事だ。サイドを空ける事が脅威だと相手にわからせれば良い。」
ジェフの切り込み隊長。
黄色の背番号⑧。
井出「..................オレが、やらないと。」
続く。
※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。
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