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2016シーズンのような、大きなメンバー変更はなく迎えた2017シーズン。
2シーズン目の仲間が大半を占めている事もあって、チームとしての熟練度は確かに上がっていた。


それでも、全てが上手くいくわけではない。
プレシーズンを乗り切ったとはいえ監督も代わり、まだまだ完成には程遠いような状況だった。


シーズンはまだ序盤だが、勝ったり勝てなかったり。
決して悪くはないものの、どこか不安定さを残すチーム。




この試合も、時計は既に後半35分を回っていた。




0-1




ホームフクアリの熱い声援を背中に受けながらも、なかなか相手ゴールをこじ開けられずにいるジェフのイレブン。

ボール支配率はジェフが54%。
シュート数は9本。

しかし得点は0だ。

相手ゴール前の分厚いブロックを崩せない。





しかしまたもジェフにチャンス。

中盤の底、アランダから丁寧な縦パスを受けると、バイタルエリアやや左の位置で前を向く。




船山「(ぶちこんでやる!!)」





ボールを押し出してバイタルエリア中央へ侵入する。

船山の目がゴールマウスを捉える!




ミドルシュートの態勢!






ガッ!!!!







船山「いって!!!」





どさっ。


船山が倒れる。








ピーーーーーーーッ!!






強いホイッスルが鳴る。








船山「いってーな!!何しやがる!!!」




せっかくのチャンスを潰され、激昂する船山。





「Boooooooooooooo!!!!」




スタンドからも相手選手に対して大きなブーイングだ。






船山が相手を殴りかかるような勢いで歩み寄る!







「ストップ、ストーップ!!タカユキ君、落ち着いて!」






苦笑いを浮かべながら抱きしめるように船山を制するのは吉田眞紀人。



近づいてきたアランダも船山の頭をぽんっと叩く。







「おーしおし、よくやったぞーマキトー!!」



「今日一番の仕事なんじゃないか?w」



「抱きしめるってのはよくわかんねーけどなーー!」



「わはははは!」





スタジアムは暖かかった。





コールリーダー「おーし、ここで一本取るぞー!!!」




「なーりーたの男ーー...」




しかし熱さも忘れてはいない。



暖かさと熱さと。


優しさと厳しさと。






メリハリのあるゴール裏の雰囲気。





船山「.......ちぇ。なんだかおれが悪いみたいになってねーか?」



少し不服そうな船山。




吉田「まあまあ、これくらいの方が良いでしょw」





船山「..........ふん。(まぁ、やりやすくはなったかな)」











このフリーキックは残念ながら枠を外れた。



10分間で大逆転なんて、そうそうあるもんじゃない。




それを起こすのがフクアリだけれど。








それでもそんなに甘くないのがフットボールだ。









後半44分。





船山がワントラップからの見事なハーフボレーで同点に追いついてこの試合は幕を閉じた。








ベンチに座る佐藤勇人が笑顔で汗を拭った。





fin



※この話は完全にフィクションです。
zu-ka-ki-の妄想です。
悪しからず。