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この試合のジェフは上手くボールを動かしていた。


まずは守備面でラインを高く保ち、中盤の間延びを解消する。

そして、2シャドーが降りて来ては相手2ボランチの脇でボールを引き出し、WBが幅を取る。

更に、新加入の㉑サリーナスが左サイドで輝きを放っていた。



ヤマト「(ホルヘ、調子良いな。相手も結構警戒してる。.......て事はだ。)」


右サイドを駆け上がる影。



ヤマト「.....行ってこい、後輩。」


右サイドを④北爪が駆け上がる。
持ち味のスピードで相手をちぎると、ここで相手のハンドを誘い、フリーキックを獲得する。




北爪「(.......今季は明確に結果を出さないと。WBは4バックの時よりも自分としては合ってる!やってやるぞ!)」


この右サイドからのフリーキックは、キッカー⑪船山が中央の⑩町田にパスをするトリックプレー。
1人かわしてシュートを放つもゴールにはならない。



それにしてもふかさない。


抑えの利いた良いシュートだ。



ヤマト「.........ちっ。」




前半は両チーム得点のないまま折り返す。




ロッカールーム。



監督は充実した表情だ。



エスナイデル「悪くない出来じゃないカ。先日の試合よりも格段に向上していル。これを後半も継続するようニ。.....一方で、昨日先発だった選手たちは、危機感を覚えた方が良いゾ。」



清武「(.........まあ、あの試合の反省点を昨日全員で確認したとはいえ....気を引き締めてかからないとな。)」




乾「(俺は先発じゃなかったけれど、この前のような府抜けたプレーをするわけにはいかねー!)」



選手同士のコミュニケーションも良くとれていた。

ラインを高く上げた時の次の動作確認やリスクマネジメント。
一人が降りてボールを受けた時の周囲のサポート。
ゴールキックからの組み立てなど。


まだまだ試行錯誤だが、良い雰囲気だ。



熊谷「(........................チームが勝つにはどうすれば良いか...)」


⑮熊谷も周りとコミュニケーションを取りながら、各プレーヤーがどんな事を要求しているのかを把握しようと努めていた。


長谷部「(熊谷のやつ...結構我が強いように見えて、細かいところにまで気を配るな。相手の多少ラフなプレーに対してもクレバーに対応していた。....楽しみな選手だな。)」



長谷部コーチが目を細める。



近藤「......うし。良いか?まだ0-0だぞ。紅白戦じゃねぇんだ。内容が良かったですね、で終わろうとするな。苦手意識も負け癖も払っていかないとだぞ!!」




「おっしゃ!!」




▼後半kick off

ハーフタイムで交代したのは一人。
先日の試合とは打って変わってだ。


㉝西野→㉔イジュヨン


西野「(.......ふぅ。まだまだ荒い部分が多いな...もっと一つ一つのプレー、動作の精度を上げないと。ビルドアップも必要だから判断スピードも上げないとだ。)」



後半戦もジェフが主導権を握る。


まずは開始直後、④北爪がチャンスを作り出す。


自陣で奪ったボールを素早く前線に送る。

相手の中盤が戻り切れず、⑪船山を経由して、駆け上がってきたフリーの④北爪へ。


ここでシュートを放つ。




しかしこれは枠の左へ流れる。



船山「...............クロス?」



北爪「...いや、シュート...」





ジェフは中盤で繋ぐだけではなくて、⑪船山が常に裏を狙っている事もあって、札幌は狙いを絞りづらい。

その上、サイドの裏を目がけてジェフがロングボールを送っても.....



札幌が跳ね返す。


その後だ。



「ホルヘ!!」


相手WBを下げさせた時に生まれるスペースにこちらのWBが入ってくる為、セカンドボールをここで拾える。

相手2ボランチの両脇のスペースを有効に使う。



そして、徐々に存在感を増してきた④北爪にボールが渡る。

右サイドを突破する。


サイドをえぐって中央に侵入していく。



DFがスライディング。


だが、④北爪は更に前に出る。




ガッ!!!



北爪「!!!?」



相手DFの足が入って④北爪が転がる。




ピーーーーーーーッ!!!



主審がペナルティスポットを指す。





実況「あーーーーっと!!PK----!これは文句は言えないかーーー!!!!」





しかし、ここでアクシデント。


転んだ時に腰を強打した④北爪が起き上がれない。



「担架!!!」



北爪「っつー。なんでこの大事な時に...」





メディカルスタッフから×サインが送られる。



江尻「...ダメか。」




④北爪→㉚溝渕




溝渕「...今、北爪さんのプレーを見てて感じた事をピッチで表現する。」



気合十分。





そしてPK。



キッカーは⑪船山。



GKを最後まで見てキックを放つ。





しかし。




船山「(.....く...動かねぇ!)」



甘い!!




バシッ!



GKセーブ!!


「セカンドボール!!!!」



⑪船山が詰めにいくも枠を捉えず。





実況「あーーーーー!なんと失敗ーー!!!!」





⑪船山が頭を抱える。



エスナイデルも天を仰ぐ。




選手交代

㉜高橋→⑥山本


山本「壱晟!!良かったぞ!」


交代の際、⑥山本に声をかけられる。


壱晟「あ、ありがとうございます...」


そう答える㉜高橋の表情は浮かない。



壱晟「(.......自分としてはあまり良くなかった。良かったのはほんの一部分だけだ。全体を通して、もっと存在感を出していかないと、この競争の中では生き残れない。)」



"自分はまだ高校生だから"



そんな言い訳は微塵も無かった。


一人のプロフットボールプレーヤーとしての意識が、既に芽生えていた。





長谷部「(....もう長い事一緒に練習してきたもんな。もっと強くなれ壱晟。)」





更にその後すぐに、残りの交代枠5枚を使う。


out
③近藤
⑩町田
⑪船山
⑭アランダ
㉑サリーナス


in
⑦勇人
⑧清武
⑱吉田
㉖岡野
㉘乾




メンバーを大きく代えても、流れは変わらなかった。
意図する攻撃は実現出来ていた。


乾「(今日はWBとしての起用だ....なんとかアピールしとかないと!)」


積極的に高い位置を取る。

独特のボールタッチとリズムでするすると前線に上がっていく。


相手を押し込む事が出来ていた。




しかし、それを見てこの男が疼かないワケがない。




積極的にボールを呼び込む。



溝渕「出せっ!!!」




強くボールを要求してはガンガン上がっていく。

ただ縦へ突破するだけではなく、常に顔を上げてFWを見据える。



吉田「.............あいつ、良く見てるな。」



FWは積極的にアーリークロスを引き出す。

㉚溝渕がその動きをよく見ているからだ。




88分には左足でファーサイドへのクロス。


ゴール前の山を越えるとそこに飛び込んだのは....




「乾!!」




しかしこれはわずかに合わない。




更に終了間際には、⑧清武が新しい武器を披露する。



右サイドからのスローイン。


長い助走を取る。




清武「............そらよ!!!」




グンと伸びるボールはゴール前ニアサイドへ。



「来た!!」




実況「ここで飛び込んだのが.....吉田ーーーー!!!」


ドンピシャ、頭で合わせる。






バシッ!!!




しかしこれをGKが左手一本でセーブ!!



ゴールならず。






90分通して終始攻め立てたが、得点をあげる事は出来ず。





試合終了。


0-0




吉田「くっ...............そー!!」



清武「(ダメだ.....圧倒的に足りねぇ!!)」



熊谷「...............................」




内容が良かっただけに選手たちの表情は複雑だった。



少し大人しいロッカールーム。








パンパン!




監督が手を叩いて全員の注目を集める。



エスナイデル「だいぶ理解が進んだようだナ。この前の試合からは見違えるように良くなっタ。後半から出た選手たちもダ。これは素直に嬉しイ。」




うーん、といった選手たちの反応。


しかし、エスナイデル監督は笑顔を崩さない。



エスナイデル「向上していル。そして、それはこれからも続ク。お前たちはまだまだ上手くなれル。」



江尻「さぁ、大好きなトレーニングが明日から待ってるぞ~!」



乾「(...鬼だ......)」




端の方に腰掛ける近藤は黙って窺っていた。









監督の表情を。




近藤「.................................ふっ。」



不意に不敵な笑いをこぼす。




若狭「.............?どうしたんスか?」




近くにいた若狭が不思議そうに問いかける。






近藤「.....ふふ。いや、別に。」


そういうとシャワーを浴びに行ってしまった。








近藤「(一通りの話が終わった後に見せたあの表情。...............ありゃ相当悔しいんだな。...そうこねぇと!)」
















若狭「(どぅーさん................気持ち悪っ!!)」




Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。



☆追記

サッポロが大好きなジェフサポの皆さん(笑)

まだサッポロと会いまみえるチャンスがありますよ!!


2/19(日)

ちばぎんカップの次の週ですね。
ジェフサポが一同に集まる企画があるよ!

サッポロを飲んで、食べ尽くそう!!


▼2017シーズン ジェフサポ決起集会! ~週末のジェフを最高にする!!~
http://standing-ovation.blog.jp/archives/68259483.html







本当のrevolutionは、ここからさ。