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ハーフタイム。




エスナイデル監督の目つきは鋭かった。



激昂するわけではないが、明らかに不満そうなのは見て取れた。




エスナイデル「..............やっている事が間違っているわけではなイ...だが攻守の切り替えをもっと早くしないと難しイ。向こうも奪ってからサイドに散らす戦いは相当刷り込まれていル。」




腕組みをしたままベンチに腰掛け、足を大きく開いてそう言った。




多々良「.....スマン。俺のプレスが少し弱かった。簡単にクロスを上げられちまった。」




近藤「いや、あの時お前一人で2枚を見る格好になっていた。あれじゃさすがに厳しい。WBが上がったあとのスペースはウチの泣き所だ。全員でカバーしねぇと...!」






否応にもエースナンバーの不在が悔やまれた。




しかし、この戦術で戦っていく以上、同じような離脱はいくらでも考えられる。
今後誰が抜けるかもわからない。




アランダ「...行こウ!」








▼後半戦 Kick Off


後半も運動量が落ちる前に、何とか得点を上げておきたいジェフ。
後半立ち上がりから積極的に前に出る。


右サイドの④北爪が仕掛ける。




しかし、これを松本が凌ぐと...





反町「......よし、そこだ!」





④北爪が上がって空いた後方のスペースに⑨高崎が流れてボールを引き出す。





カウンター!




ジェフの中盤が戻り切れていない!





⑨高崎が左サイドでボールを持つ。






高崎「....................お!?」






中央を見ると、すかさずクロスを送る。





2列目から飛び出す影!




中央からファーサイドに逃げていく。








「宮坂!!!」





宮坂「....シッ!!」







ドンピシャのボレー!!








がら空きのファーサイドのゴールネットを.....










バシィィ!!









宮坂「!!?」










実況「さ、佐藤優也が止めるぅぅぅ!!!!」









優也「.......っぶねぇ!!」








佐藤優也のスーパーセーブで難を凌ぐ。







止められた⑮宮坂は唖然とした表情。










宮坂「なんであれに反応してくんだよ......!」












しかし。










その⑮宮坂が蹴りこんだコーナーキック。










実況「あーーーーーーっと!!!決まったーーーーー!松本2点目ーーーー!!!!!」








優也「.....!!!?」









ニアサイドに飛び込んだ⑨高崎の頭だった。


⑮宮坂から寸分の狂いもない、正確なクロスに合わせた見事なヘディング。


ニアポストをかすめてゴールに吸い込まれていった。








江尻「..........最悪のタイミングだ...」







後半、気を取り直して点を取りに行こうという所だった。


なんとかピンチを凌いだものの、警戒していたセットプレーから突き放される。





完全に出鼻をくじかれた格好だ。






47分でスコアは2-0。







ベンチが慌ただしい。






エスナイデル「早く手を打たねば.....ボムヨン!!」







51分 ⑮熊谷 → ㊲ボムヨン






左WBに入り、㉑サリーナスが左のインサイドハーフに入る。





エスナイデル「これで左サイドの守備が多少は改善されるハズダ。何より、パスを警戒してブロックを形成する松本に対して、ボールを自ら運べる選手が必要ダ。サリーナス、頼むゾ。」







しかし。







そう簡単に事は進まなかった。










ピー!!!!







左サイド、㊲ボムヨンが不用意に手を使ってファールを与えてしまう。







反町「........良いのか?そんなに簡単に我々にファールを与えてしまって。」






ニヤリと不敵な笑みを浮かべる反町監督。






そして。











実況「ゴォォォーーーール!!!松本が3点目だーーー!!高崎ぃぃ!!」








上から下に大きく右手を振り下げてガッツポーズの反町監督。





下から上に大きく右手を振り上げて悔しがるエスナイデル監督。









とにかく早く1点を取り返さないと間に合わない...!







61分 ㉝西野 → ⑧清武



72分 ⑪船山 → ㊿指宿






システムも変更する。




myboard


4-3-3へ。




72分。


この交代が実を結ぶ。




右サイドから中央へ横パスが入ると、3トップが見事な距離間でこのボールに絡む。





ボールを持ったのは㊿指宿。






指宿「せっかくやってきたチャンスだ....見せてやらねぇと!!!」





真っすぐゴールを見据えると、迷わず左足を振り抜く!!







バシ!







しかし、このシュートが前方を走る⑧清武の背中に当たる。







が。






こぼれ球が⑧清武の足元に!!







清武「(...おし!!)」









ふぁさっ....











実況「あぁぁーーっと!!!ゴーールゥーー!!清武が落ち着いてゴールに流し込んだーー!!」








3-1




アディショナルタイムを含めれば残り20分が残っている時間だった。








多々良「まだ行ける!!この残り時間で2点差ならやれるぞ!!」







一気に希望が開けた。





前線に⑨ラリベイと㊿指宿という驚異的な高さを備えるジェフは、積極的にハイボールを送り込む。





しかし。






飯田「...ここでやらせるわけにはいかない!!何度でもこういった展開を跳ね返してきたんだ!!」








松本の3バックのセンターを守り続ける④飯田が負けじと跳ね返す。






ブロックを形成した松本の守備組織を崩すのは容易ではなかった...






活路を見出せずに、気づいた頃にはアディショナルタイム。




そして。







ピー!!ピピーー!!!





試合終了。







3-1









松本勝利








最後の監督同士の握手。






エスナイデル「~~~~~~~~~!!!」






かなりの早口で反町監督をまくし立てる。






握手をした一瞬の出来事だった為、通訳も間に合ってはいなかった。







反町「...物凄い勢いで何を言われたのやら......でも一つだけ聞こえたぞ。..........”フクアリ”と。」





握手をした手をポケットにしまって、踵を返す。




反町「........次会う時にそのサッカーがどうなっているか、楽しみだよ。」











Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。





▼4/1(土)京都戦の後の打ち上げも宜しく。
http://standing-ovation.blog.jp/archives/69651073.html