▼この記事を読むのにかかる時間/約7分




ーーーーーーーーーーーーロッカールーム


幸先よく先制をしたものの、一瞬の隙を突かれ同点に追いつかれた展開。


チームの雰囲気はピリピリしていた。




エスナイデル「.......何度目ダ!!いつも一瞬の隙でやられていル!!まるで割に合わなイ!85分間集中していても、たった5分の隙で結局チームは負けてしまうんダ!!」




かなりお怒りの様子だった。






ラリベイ「コウキ!少し俺たちの距離が遠いかもしれなイ。ゴール前の脅威が少し足りないように見えル。」




清武「確かに...ボールが欲しくて少しサイドに寄り過ぎたかもしれねぇ...」







しかし、追いつかれたとはいえ、先制点を見事な形で沈めているし、その後の攻撃も良い形は作れていた。



ピリピリしているものの、重苦しいような空気は無かった。







だが一人。








近藤「...................................」





何か思いつめるような表情でベンチに腰かけている。








皆がロッカールームを出ていく中一人の男が声をかける。






「ドゥー!!あまり一人で背負い込もうとするな。」







近藤「!!?」






③近藤が顔を上げると、そこには㉒羽生が立っていた。





羽生「大丈夫だ。お前がファイトする姿を見せれば。"黄色歴"はお前が一番長いんじゃないか?w」




ははは、と笑って㉒羽生はその場を引き上げていった。










ほんの少し、キャプテンマークが軽くなったような気がした。









▼後半戦Kick Off

ハーフタイムを挟めば、京都も当然修正してくる。

前半程、WBの裏のスペースを使うのは簡単ではなくなっていた。


その上、㉚石櫃を中心にサイドの圧力を強めてきていた。




拮抗した展開がしばらく続く中、60分にゲームが動く。






京都が右サイドでジェフのマーク二人を引き付けると、この二人の間を抜いて中央に横パスが通る。


ボックス内右でボールを持たれると、そこから更にボールを下げる。





そしてこれをダイレクトシュート!!!






優也「!!?」





綺麗な弧を描いたシュートがジェフゴールのファーサイドネットに突き刺さる。








ザシュ!!








実況「ゴーーーーーーーーーール!!!これはお見事ーーー!!!」












菅野「.........................よし。」







1-2







ピピー!!!



ここですかさず選手交代。




61分 ⑳若狭 → ⑪船山


ここでシステムを変更する。



myboard
4-1-2-3へ。



システムを変更した事で、最前線の距離間が改善。
互いが近い距離でプレーしている時は非常に良い形でフィニッシュまで持っていけていた。






長谷部「(...............そう、それだ。その距離間なら3人目の動きが出せる!)」





ボールを圧倒的にジェフが持っていた事で、ジェフの両WBも高い位置を取る事が出来ていた。







.....そしてここから、青森山田の至宝が輝きを放つ。






ボックス手前左でボールを持ち、大きなキックフェイントから中央へ侵入すると、相手DFを抜き切らずに右足で巻いたシュートを放つ。







菅野「......野郎......DFがブラインドで見えねぇ....!!」









必死にGK菅野が左手を伸ばす。







しかし、その左手をすり抜ける...!











ガツン!!










が、これはポストに嫌われる。









高橋「.....................くっ!!」














京都からすればアウェイで勝ち点3はかなり貴重。


完全に5バックを敷き、きっちりと蓋をしていた。




時間が経って焦り始めるのはジェフ。



ボールを持てているものの、ファイナルサードには中々侵入させてもらえない。





71分 ⑥山本 → ㉑サリーナス


78分 ㉕比嘉 → ㉒羽生






羽生「................よし。まだチームは死んじゃいないぞ...!」






京都のゴールをこじ開けるには、ファイナルサードに侵入しないといけない。




ファイナルサードに侵入する為には、FWにボールが入らない事には始まらない。





だが、FWにボールが入っても、京都のプレスに捕まって、ボールを下げてしまう。






時計が85分を回ると、ベンチから指示が飛ぶ。








エスナイデル「ナオヤ!!上がるんダ!!!」








③近藤をトップに上げてパワープレーの態勢。













近藤「............................................」





③近藤は試合前日に羽生とかわした言葉を思い出していた。











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羽生「.......知ってるよ。ジェフの情報は常に追い続けていたからな。去年の京都戦のあと、サポーターとやり合ったんだろ?」





近藤「そうっすね.....まあ、それ自体は珍しい事でもないっていうか...それなりにプロキャリアも積んでますし、そんな経験は何度もあったんですよ。俺の性格もあるし。
でも俺、今年キャプテンじゃないすか。初めてなんですよ。」





羽生「うーん......まあ、何となく言わんとしている事はわかる気がするけどなぁ...ただ、キャプテンらしく振舞うなんて事は考えない方が良いんじゃないか?」






近藤「..........??」





羽生「今さら、キャプテンマークを巻いたところで、お前自身は変わらなくて良いと思うかなー。キャプテンに就任したからお前がキャプテンらしくなるんじゃなくて、お前がキャプテンマークを巻いているのを見て周りが、"この人がキャプテンなんだ!"って思う程度で良いんじゃないかなって。

だからお前は、いつも通り闘って来いよ。」

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近藤「......................ああ。いつも通り、闘うよ......」










左からクロスが上がる。






時間はアディショナルタイムに突入している。











ジャンプ一番。
















近藤「.................いつだって、負けるのはゴメンなんだよ!!去年も、今も!!!!」



























歓声が、沸きあがった。

























581491038251

















勝利したわけじゃない。





しかし、アディショナルタイムに魅せたこの男のドラマに、劇場は揺れていた。








Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。