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強烈に冷え込むフクダ電子アリーナ。

前節の京都戦の時も突然の寒波に見舞われたが、この日も朝から雨が降り注いでいて、底冷えのする天候だった。

試合開始が近づくにつれて雨脚は強まり、海風も強く吹き込んでいた。





「ようやくここに帰ってきた。久しぶりだ。」


スタートはベンチからになるものの、ケガから久しぶりに復帰した⑩町田が逸る気持ちを抑えていた。


羽生「確かに俺たちは前進しているのかもしれない。しかし、それは試合結果には表れていない。俺たちがどんなに上手くなって、戦術が浸透しても、結果が出なければ意味をなさない世界だ。サポーターに一緒に戦って貰えるように、俺たちも戦わないといけない。」





そして、この男も静かに闘志を燃やしていた。












高橋「.....................勝負だ。」










そしてスタンドも徐々に熱を帯びていく。

天候、順位表、対戦カードもあってか。
7,000人ちょっとと、いつもよりも少なめのフクアリ。

しかし、ゴール裏の熱は高まっていた。


『何としてでも勝たせてやりたい。このサッカーを続けていきたい。その為には勝利が必要だ。』





選手入場。







ドッ







一気に沸き立つゴール裏。



そして掲げかられたビッグフラッグ。








「す、すげー..........」





ボールボーイの少年は、その熱量に口を開けて見入っていた。









【システムのマッチアップ】
myboard
黄:ジェフ
3-3-2-2

青:群馬
5-2-3




▼前半戦 Kick Off


清武「........!!」



エスナイデル「....................これハ...!!」




ジェフボールでのKick Off。



そしてスタートの群馬の最終ラインを見てジェフ陣が驚く。




『群馬の..............最終ラインがめちゃくちゃ高い!!』









ピー!!!






群馬はジェフに劣らないくらいの高いラインを敷いてきた。

背水の陣という事なのか。
それとも、ジェフを相手にするにはこれが有効と見たか。



その真意は定かではない中、攻勢に出たのは群馬だった。



試合が始まる頃には強く雨が降り注ぐ。

当然ピッチコンディションは良くない。


そんな状況下で、群馬は積極的にロングボールを送り込んできた。

狙って精度高く、裏を取るというよりは多少雑でも、ジェフの最終ラインに処理をさせるようなボールを送り込む。


このピッチ状況だ。


処理は簡単ではない。


ジェフはここでバタバタとボールの落ち着かない展開になる。






多々良「ちっ..........!やりづれぇな...!」





そして群馬の陣容。

最終ラインに5枚を並べ、中盤はボランチの2枚。

3トップがフラットな形でジェフの3バックにプレスを積極的にかける。




最終ラインで数的同数を作られ、ビルドアップがなかなか機能しない。



ボムヨン「じゃあ、中盤が薄いハズだ...!」



しかし、群馬の最終ラインが高い為、中盤は人数こそ足りないものの、最終ラインの押し上げで密集地帯を作り出しでジェフの自由を奪い、3トップがプレスバックする事で圧力をかけてくる。









熊谷「くっそ.....窮屈だな...俺のトコにボールが入ってもすぐに3トップがプレスバックに......」








近藤「熊谷!!後ろだ!!!!来てる!!」








熊谷「!!?」





中盤で⑮熊谷がボールを拾った所、死角から群馬のプレスがかかる!







熊谷「..................くっ...!」




完全に死角からタックルを受けた⑮熊谷が吹っ飛ばされる。






優也「マズい...........早く!!!プレスかけろ!!!!」









しかし。









その声掛けも間に合わず。











群馬の放った長い放物線がジェフのゴールネットを揺らした...









優也「........................チッ...」







実況「ゴーーーーーーーーーール!!ついに喰らったジェフ千葉-------!!!!恐れていた失点ーーー!!!!」






いつかはやられるだとうと思っていた失点の形だった。








熊谷「........スイマセン...うかつでした.....................」





多々良「いや、お前だけのせいじゃねぇ。後ろで見えてる俺たちのコーチング不足だ........情けねぇ...!」






清武「.......ここで引くわけにはいかないっすよ。」






近藤「.................もちろんだ...!」













高橋「.....................................................」











0-1








両チーム全体がかなりコンパクトな陣形の為、カギを握っていたのはセカンドボール。


しかし、ここの出足は群馬が強く、押し込まれる形が続いた。





最終ラインの⑤多々良からのロングフィードに抜け出た⑧清武がボックス右からシュートを放つがこれは枠を捉えず。



するとその後すぐに、群馬のGKのパントキックが風に乗り、バウンドをするとゴール前ボックスまで。




③近藤が競り合うが、これをヒールで落とされると、フリーでミドルシュート!!!








しかし、これはGK佐藤の正面で事なきを得る。









25分前後からは徐々にジェフがペースを取り戻し始める。








熊谷「(........................中央は厳しいな...かなりボールに密集してきやがる。だが、ピッチの上には11人ずつしかいねぇんだ。となれば、どこかを手薄にしてる事になる...........)」






ここからジェフは、上手くサイドでボールを動かすようになる。





熊谷「(まずははピッチをワイドに使う事。群馬はかなりボールに食いついてくる分、サイドにボールがある時には逆サイドが手薄だ。そこを中央の俺がつなぎ役になれれば.....
それから、失い方も考えないといけねぇ。サイドで失う分には致命傷にはなりづらい。
まずはそっからだ......!)」




上手くサイドを広く使って、左右に揺さぶる事で群馬は自陣から出られなくなり始め、セカンドボールもジェフが拾い始める。





しかし、それでも中々ゴールに迫る事が出来ない。







すると39分。







ジェフがカウンターに出ようと、左サイドで裏を突く所をシャットアウトされる。

すると、ジェフがラインを上げた瞬間に入れ違うように群馬が同サイドをスルーパスで抜け出る。





多々良「...しまった..........!!!」







ラインを上げる為に前に重心がかかっていた為、完全に戻りが遅れる。


サイドから折り返しの横パスに、ジェフは誰も追いつけていない。







中央フリー!!!







トラップ際、GK佐藤が飛び出る。






優也「なんとかコースだけでも切れるか......!?」









トン










放たれたループシュートが.....














クロスバーを叩いた。










実況「き、決まらないーーーーー!!!命拾いしたジェフ千葉ーーー!!!」









多々良「.....ハァ、ハァ...............」








途中から落ち着きを取り戻しながらも、良い形はあまり見せられなかったジェフ。









ピー、ピピーーーー!!









ハーフタイムのホイッスルと同時にロッカールームへ引き上げるベンチメンバー。








............じっと戦況を見つめていた。















そして目を閉じて。













大きく息を吐いた。












ロッカールームへと続く廊下で上着を脱ぐ。













ヤマト「................行くぞ。」







続く




 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。