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0-0





前半、完全に流れを掴んではいたものの得点をあげることは出来なかった。





ーーーーーーいつもの悪い流れか.....?




多少の不安を覚える。


それでも、手応えの方が勝っていた。






近藤「ボムヨン!かなり良いじゃねぇか!4バックにした途端に水を得た魚だな!」



ボムヨン「船山が上手くスペースも作ってくれてるから、俺の所が空きやすいんだ。後半もガンガン行けそう!!」



船山「............上出来だ。」










比嘉「先輩のアドバイスが効いて、調子良さそうじゃんかよ!」




ニヤニヤしながら㉕比嘉が⑮熊谷にすり寄る。




熊谷「いや、実力っす。」




比嘉「良く言うぜ、試合前にはあんなに深いホリしてたくせによー。」




熊谷「いや.......ホリは今も深いっしょ......」




確かに良い働きをしていた。
空いたスペースを埋める動き、配球、危ないシーンでの潰し役。



危機察知能力はまだまだ⑭アランダに及ばないが、目立たないまでも十分な働きでチームの底を支えていた。






そしてこの男が眼光鋭く神経を研ぎ澄ませる。












高橋「..........................................」






▼後半戦Kick Off


後半に入っても、ジェフの左サイドが脅威になり続ける。



51分。



左サイドから㊲ボムヨンがグラウンダーのクロスを上げる!



中央⑧清武の落としから⑩町田!!







シュート!!!













ガシィ!!!











しかし、これはDFにブロックされる。










ボムヨン「.......む。後半もやれそうだ!!」






60分にも左サイド。




⑪船山が深い位置から後方の㊲ボムヨンに落とすと、これをダイレクトで中央へクロス!






山口の守備陣は整っていない!





⑩町田がフリー!!









ヤマト「(来た!!)」







得意のボレーシュートを枠に飛ばす!!












バシィ!!!











実況「止めたー!!!ジェフ千葉、決めきれないーーー!!!!」









ヤマト「(..........くっ。ジャストミート出来なかった...!)」










61分 ㉑サリーナス → ⑨ラリベイ







左に⑧清武を回し、⑪船山を右へ。



68分 ⑧清武 → ⑯菅嶋






菅嶋「(久しぶりの出番だ........とにかく走り回らないと....!!)」







76分


熊谷「..........くっ!!!」




足を痛めて⑮熊谷が離脱する。


それだけよく神経をとがらせ、走っていた。





比嘉「んぁ?ちょっとケツを叩き過ぎたか.......」




⑮熊谷 → ㉒羽生




何とかして自分のアピールをしたい⑯菅嶋。




80分





右サイドで⑪船山が裏を取ると、中央へグラウンダーの折り返し。


ボックス内で⑯菅嶋が受けに来た所......







がっ!!








ドサァ!!









エリア内で倒されるもノーファウル!










菅嶋「......くそっ...!マジかよ!」












⑨ラリベイの投入によって、純粋な1トッププレーヤーが最前線に入った事を上手く活用し始める。






ヤマト「(相手は俺たちのサイド攻撃に気を取られている.........となれば!)」





⑩町田がボールを受けに下がる。



そしてサイドに開く。




ここで、相手のボランチを引き連れたままサイドに流れる。






ヤマト「(今だ..........!!)」





ボランチが釣りだされた山口は中央がぽっかりと空く。



そこに⑨ラリベイが落ちてくる!







エスナイデル「...........そこダ!!」






完全フリーで中央の⑨ラリベイにボールが入る。






ラリベイ「見事だヨ、ヤマト......!!」











ドフッ!










これをダイレクトでサイドのスペースに蹴りこむと、先ほどの流れで前線へ走り出していた⑩町田へ!!







ヤマト「(..........!!スゲーパスだ...!!!)」







綺麗に右サイドに広がるスペースへトップスピードで飛び出した。






ここからの折り返しにボックス内で反応したのは......⑯菅嶋!!








その落としのボールに㉜高橋!!










シュートを放つ!!













ガッ!!









しかしこれはブロックに阻まれる。



だがボールはこぼれている。










そこに詰めたのが⑩町田!!









ヤマト「行け!!」












バシィ!!!










しかしこれはGKに阻まれる!











ファイナルサードへの侵入は出来るようになっていた。


しかし得点が奪えない...



こういったチャンスをものに出来ないと、ピンチが訪れてしまうのがフットボール。













ジェフの最終ラインの裏のスペースに蹴られたボールを③近藤がクリアミス!











近藤「し、しまった.....!!!」







いち早く山口にこのボールを拾われる!






高い位置を取ってサポートの態勢に入っていたGK佐藤。







ループシュートが放たれる...













カツン














このシュートがポストを叩く。







優也「...おし!大丈夫大丈夫!!」 
(完全にやられる展開だった.......)






試合は、スコアレスのままアディショナルタイムを迎えようとしていた。









敵陣、ボックス左に侵入した㉜高橋が縦への突破を試みる。

DFを振り切る!







しかし、タッチが長く......








高橋「く.......!!」










ボールがゴールラインを割ろうとしたその瞬間、振り切ったDFの手が㉜高橋の足にかかる!












高橋「!!?」











ドサァ!





















ピーーーー!!!










主審がペナルティスポットを指さした。










ーーーーーPKだ!








実況「ああーーーーーっと!!これはノーファールに見えたがPKの判定だぁぁぁ!!山口、この時間帯に痛恨!!!」









ザワつく会場。







『おいおい、本当にPKなのか??』













高橋「..........ふぅ。頼んだよ、ラリベイ。」





















ドシュ!!












ラリベイ「......Gracias、イッセー。」









実況「難なく沈めたーーー!ジェフ千葉先制ーーー!!!!」
















ピーピピーーーーー!!!!










試合終了








0-1






ジェフ千葉、勝利













ヤマト「イッセー!!お前よくやったな!ファール、あったのか?」




高橋「手はかかってました。......それで倒れるかどうかは別の話ですけどね。ただ......」











高橋「......."手がかかった"。それが全てです。」



クールな表情で淡々と答えると、ニコッと笑って一言。




高橋「なんとかチームを勝たせたくて............本当に良かった!」











大人なのか子供なのかよくわからないな。







⑩町田はそう感じた。


ただ、いずれにせよ、"勝負師"としての姿勢を強く感じて、末恐ろしくもあった。
















ヤマト「.....................俺もうかうかしてられないな。」












Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。