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ーーーーーーーーハーフタイム





エスナイデル
「良くないナ......」





「......................................」






エスナイデル
「ただ、良くないだけじゃなイ。良くない中でも良い部分もあル。相手の⑲番に許したポスト直撃のシュートはいただけないガ、全体的に守備は良く守れている。相手の攻撃が単調である部分もあるガ、敵の攻撃機会を減らせば自然とピンチは減るハズダ。」





近藤
「...............先にやられるわけにはいかねぇぞ。うちが先制するまではな。」






エスナイデル
「ゴール前で手数を掛けすぎるナ。仕掛けもフィニッシュも一瞬で良イ。」






高橋
「...................................よし。」







▼後半戦Kick Off


㉕比嘉 → ㉑サリーナス



システム、ポジションはそのまま。
縦への推進力を強める。

サイドでジェフが守備の後手に回る事は少なそうだ。


後半に入っても、前半と流れは変わらなかった。
システムや戦術に大きな変更は無く、攻めあぐねるジェフと一発カウンターを狙う讃岐という形は変わらない。



しかし、ここで違いを見せたのはこの男だった。





高橋
「..................................ゴール前の仕事は一瞬だ....いつも意識している事!」





左サイドから㉜高橋がフェイクを交えて仕掛ける!

相手DFのバランスを崩すとすぐさまクロスを放り込む!!







しかし、残念ながらこのクロスは相手DFにはじかれる。






ここでセカンドボールに反応したのは⑥山本!!








が、トラップが浮いてしまう!!









讃岐
「チャンスだ!」










山本
「........................大丈夫、自信ならある。」
















スパァ!!












浮いたボールをハーフボレー!!

















ガシュ!!!













ヤマト
「入った..................」












『まさきーーーーーー!!!』











実況
「ゴォォォォォォォォォル!!!!山本、綺麗なシュートがサイドネットに突き刺さるー!!キーパーどうしようもないーー!!!」









山本
「....うしっ!!」









ヤマト
「やったーー、マサキさん!」






山本
「へへへ.......イッセー、合わなかったけれど、良いタイミングのクロスだったぜ!」





高橋
「.....あのシュート見せられたら何も言えないっす...」






1-0









ここから前に出るしかない讃岐を相手に優位に試合を進めたい所だったのだが.....













ピーーーーーーー!!!!









「!!!!?」










ペナルティスポットを指さす主審。







「PK!?」











近藤
「ちょっと待て!!俺の足には触れてないぞ!!!」






ジェフのゴールキックをフリーでヘディングされ、ハイラインの裏のスペースまで跳ね返された。

下がりながらの対応に、⑤多々良のクリアが短く、これを⑬木島に拾われる。


一気に加速してエリア内に侵入した所、③近藤が決死のスライディング。


しかしそれも届かず、置き去りにされようかという所............




③近藤のファールを取られたのだった。









近藤
「ちゃんと見てくれよ!!俺はボールに触れなかったが、奴の足にも触れなかったんだ!!」







しかし判定は覆らない。












このPKを決められて、同点に追いつかれてしまう。







先制点からわずか4分後の出来事だった。






1-1








近藤
「くそっ!!!」







結局先制点をあげた優位性を何も使えずに、試合は振り出しに戻った。












64分




左サイドを、㊿指宿、⑨ラリベイ、⑩町田で打開すると、再び㊿指宿に渡って中央を仕掛ける!

相手の守備が整う前だった為、スペースもある!!





2枚の相手DFを引き付けると、右サイドからフリーで走りこんだ⑥山本へ!!







1対1の状況に、GKが飛び出す!









山本
「想定内!!」


 









ポンっ.........












飛び出してきたキーパーをあざ笑うかのように、浮き球でキーパーの脇を抜いた。












しかし。











バスッ










シュートが戻ってきたDFの体に当たった!



それでもボールはゴールに向かっている!














が。













バシィ!!!!
















ゴールラインを割ろうかという所、戻り切ったDFが大きくクリア!!











山本
「なっ.....!?」












得点ならず。









なかなか崩しきれない展開に、サイドの圧力を強化する。






76分 ⑥山本 → ⑪船山








両WBを⑪船山と㉑サリーナスにして、縦への推進力を強化。

ここから積極的にサイド突破を図り、クロスボールを送るようになる。





だがそれでも。






讃岐ゴールを脅かすようなシーンは作り出せない......













これといった形を見出す事が出来ずに、試合はもうアディショナルタイムに突入していた。







何とかゴールをこじ開けようと、右サイドから対角のロングフィードが出る。





競り合いからこぼれたボールを⑪船山が拾うとそのままカットイン!!








次々に飛び出してくるDFをかわしながら、ペナルティエリア右に侵入した⑩町田にボールが届けられた。








フリーだ!!











『頼む、ヤマトーーー!!!』











ズシャァァァァ















「!!?」










バシィ!!!!














実況
「ぶ、ブロックだー!!!!讃岐、執念のスライディングでこれを許さないーーー!!!!!」
















ピーーー、ピピーーーーー!!










試合終了








1-1














終了のホイッスルと同時に、選手たちは膝に手をついた。







体力的な疲れと、やり切れぬ悔しさと。








だが、サポーターに挨拶に行く選手たちの背中を見て、この日も出番が無かった⑭アランダが皆に声をかけた。












アランダ
「......................さぁ、顔を上げよウ。ここで顔を上げられないような戦いをしているなら試合になど出ない方が良イ。」






「........!!!」















アランダ
「本当に90分間、やりつくしたのなら、どんなブーイングも批判にも揺らがないハズダ。顔を突き合わせて話が出来るハズダ。我々はそういった基本的な事をしていかなくてはならないんダ。」












Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。





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