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「カイト!スタメンは君ダ!!」





監督からスタメンを告げられた。

プレシーズンでは出番があったが、リーグ戦では今季初だ。

"フクアリのピッチでついに試合に出れる"


そう考えただけで、体の内側から湧き出る何かを感じた。


いつもは佐藤優也の次にこなすアップも、今日は1番手だ。


ほんの少し。

ほんの少しの事なのに、全く別のもののように思え、そしてサポーターの声はいつも以上に届いた。



スタメンGK



その準備は怠らなかった。
だからここに立っている。


不安と期待でいっぱいなのはサポーターも同じだ。

大丈夫。

やれる。





強い想いを胸に、円陣を解き、自らのゴールに向かっていった。






ゲームは序盤、ジェフがボールを持つ展開だったが、福岡が3バックから4バックへ変更した事で徐々に流れが変わる。


じりじりと福岡が主導権を握り始める。


それでも両者集中を切らさず前半をスコアレスで折り返す。




GK山本もすこしずつ感覚を掴んでいた。




海人
「よし........感覚的なものは悪くない。精神的にも安定しているな。良い状態だ...」





そして後半、見せ場がやってくる。





68分


ボックス内に相手が侵入すると、ボックス内右から鋭いシュートを放つ!!




海人
「ボールを見ろ.....最後まで...最後までだ.........!!」
















バシィ!!!!













右手一本、体を綺麗に伸ばし切って、ボールを上にはじいた。






実況
「止めたーーーーーー!!GK山本、ファインセーブーーー!!!」











続く71分









相手FWがボールを持ってぐんぐん進んでくる。


そして、またもボックス右から低いシュートがファーサイドへ!!!









海人
「(しっかりはじく!!)」









バシッ!!










両手で面を作り、尚且つ中央の選手に渡らないようにはじいた。



しかし、その更に後方から狙っている選手がいた。






GK山本が起き上がって急いでポジションを取りなおす!










海人
「(打たれる瞬間にはしっかりと止まっている事。そして、この状況...右には選手が二人。壁になっているな...であれば左寄りにポジションをとって.....!)」







ドシュ!!!






ボックス内でこぼれ球をダイレクトでシュート!












バシィィ!!!












海人
「(やっぱり左にきたか...!)」










実況
「ビ、ビッグセーブゥゥゥ!!!!ポジションを一瞬で取り直してからの難しい対応!見事にゴールを守り切って見せたぁぁぁ!!!!」
















優也
「まったく......見せてくれやがって。」





ベンチで戦況を見つめるGK佐藤が唸る。






優也
「(基本的に両手でセービングする事は大事だ。慣れてくるとつい片手で反応しがちだが、両手の方が確率は高いし、選択肢も多い。片手ではじく方が素人目には映えるけどな....さすがは海人。)」






キリッと厳しい表情を見せる。


このポジションでもまた、壮絶な競争が始まろうとしていた。








試合終了後、インタビューを終えてスタジアムを周るGK海人。




胸のエンブレムをトンと叩いて、拳をスタンドに向ける。









海人
「..........次は勝つ。」








第18節





Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の分析はいつも通り行っておりますので試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。