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夏の戦いで連勝街道まっしぐら!!


...といきたかったジェフ千葉。

好調を維持していたものの、前節熊本とのアウェイゲームをポロっとこぼした。

内容も、結果も伴わない戦いだった。





前節、失点の原因を作り出してしまった㉘乾。



しかし、サポーターからは力強く背中を押す声援が送られる。





『乾!乾!!乾!!!』







近藤
「...聞こえないハズないよな、タカヤ。この声援をプレッシャーに感じるか、力に変えるか。お前次第だぞ。」











「............試合で見せますよ。」








キャプテンにそう啖呵を切った若武者は、一回り大きくなった背中を見せていた。






相手のターゲット、⑨佐藤との空中戦にも果敢に挑み、左サイドでのゴールキックの起点として、高さを明らかなストロングポイントとなっていた。


得意のドリブルでも突破を見せる。













近藤
「...ふ。乗り越えたか。」









ゲームは開始早々、⑨ラリベイのゴールで先制点をあげる。







優位に試合を運ぶ中、金沢に有効な攻撃を作らせない。





中盤で危険な所はしっかりと締めていた。






金沢がボールを奪ってサイドに起点を求める。








しかし、そこへ猛然と寄せる影。












『アンドリュー!!!』









熊谷
「...ここは行かせない!!」








危険なゾーンにことごとく顔を出し、1対1では負けなかった。







それでも最終ラインの対応から綻びが出る。








ボムヨン
「しまった!!」









右サイドからのグラウンダーの折り返しに中央でドンピシャで合わせられてしまう。











ドシュ!!








バシィ!!!!!














『!!?』










実況
「佐藤優也ぁぁぁ!!金沢のビッグチャンスに大きく大きく立ちはだかるーーーー!!!!」










すると前半終了間際の事。















「.......なんとか結果を以て借りを返したい........!!」





ゴール前で㉘乾がボールを拾うと、独特のリズムで相手を引き付ける。







ヤマト
「くれ!!!」







後方から猛然と駆け上がりサポートに入った⑩町田にスイッチ!







細かいタッチから、相手にぶつかりながらもボールを足元に収める。







右足の裏を使って左にボールを流す!










ヤマト
「(今季は点を取れていないからって、俺が今までやってきた事は変わらない......!!!)」













相手DFがついていながらも強引にシュートの態勢に入る!!!












ヤマト
「...何度も何度も何度も。数えきれないくらい練習してきた事だ!!」



















ザシュ!!!















押さえの利いた鋭いシュートが相手DFの伸ばした足をすり抜け、逆サイドネットを揺らした...!

















実況
「決めたぁぁぁぁぁ!!!この難しい局面を沈めた町田也真人!!!背番号⑩~~~!!!」














⑩町田は悔しかった。




誰よりも悔いていた。










監督よりも。











どの選手よりも。












どのサポーターよりも。










不甲斐なく敗れて連勝の波に乗り切れなかった熊本との一戦。




自分自身の力無さに、憤りすら感じていた。













ヤマト
「いつまでサポーターに我慢をさせているんだよ......!!!」















走った。






走り続けた。









最低限やらなくちゃいけない事だと自分に言い聞かせて。













ヤマト
「ぜぇ...ぜぇ............負ける痛みに比べれば、これくらい.....!!」














⑩町田に限らず、全員で最後まで金沢に圧力をかけ続ける。









前に出たい金沢のロングフィードの精度がことごとく下がる。


圧力が効いている!












そして。













ピッピッピーーーーーーーーーーーー!!!!








試合終了。









2-0











完封勝利。










この暑さ、この湿気の中、最後まで走り切った。














満足の結果にサポーターは歌う。






歓声が沸き起こる。











そして、町田也真人がマイクを手にした。















ヤマト
「えー......






この前の熊本戦は申し訳なかったです。










でも、今日みたいな闘いを............アウェイでもしたいんで...」










真っすぐにスタンドを、サポーターを見て、⑩町田は続ける。











ヤマト
「...自分たちでもアウェイが課題ってわかってるから。











......皆で乗り越えたい。













来週も宜しくお願いします!」














Fin



 ※選手のセリフ、心情は全て妄想です。フィクションです。
試合の流れ自体はノンフィクションですが、何卒ご留意下さい。